腐朽

木材腐朽菌は、木材の構造を破壊し、お住まいの寿命を縮めます。

また、カビは嫌なニオイの原因となり、快適な環境づくりを妨げます。

①木材腐朽菌の被害

木材腐朽菌は、木材を分解する酵素類(セルラーゼ、ラッカーゼ、ペルオキシダーゼ)を分泌して、木材の組織構造を破壊します(一般には腐朽すると呼びます)。その結果、木材に形態的損傷と激しい強度劣化が生じます。腐朽はシロアリによる食害と並んで、木材利用上最も注意を要する激しい劣化要因です。

 

 

②木材腐朽菌の種類

家屋でよく見られる木材腐朽菌2種類あります。

褐色腐朽菌により腐朽した木材
褐色腐朽菌により腐朽した木材

褐色腐朽菌

褐色腐朽菌は、針葉樹を好んで腐朽し、木材中のセルロースとヘミセルロースを分解する、木材腐朽菌の中で最も多い腐朽菌です。褐色腐朽菌の腐朽が進行した木材表面は黒褐色で亀裂が生じ、指で圧し潰すと粉状になります。

<主な褐色腐朽菌>

オオウズラタケ、ナミダダケ、イドダケ、イチョウタケ、チョークアナタケ、キカイガラタケ

 

白色腐朽菌により腐朽した木材
白色腐朽菌により腐朽した木材

白色腐朽菌

白色腐朽菌は、広葉樹を好んで腐朽し、セルロース、ヘミセルロース、リグニンといった木材中の主な成分を全て分解します。白色腐朽菌の腐朽が進行すると、被害部分の木材が白く柔らかくなり指で潰すと繊維状にほつれるのが特徴です。

<主な白色腐朽菌>

カワラタケ、カイガラタケ、スエヒロタケ、ヒイロタケ、ホシダケ

 

③木材腐朽菌が生育しやすい条件とは

木材腐朽菌の生育には次の4つの条件が全て揃うことが必要です。

大気中の湿度85%以上、木材の含水率が25%以上が木材腐朽菌が生育するための条件です。

木材は主にセルロース、ヘミセルロース、リグニンの3種類の成分で構成されています。セルロース、へミセルロースは木材腐朽菌が分泌する酵素によって糖に分解され栄養源となります。また、リグニンも白色腐朽菌によって分解されてしまいます。

木材腐朽菌が生育するためには酸素が不可欠です。貯木場など、水中に貯木してる木材が腐朽しないのはこのためです。

木材腐朽菌が生育できる温度は0~50℃です。特に15℃~35℃がもっとも繁殖しやすい温度です。

栄養・空気・温度は床下環境からなくすことはできません。

木材腐朽菌から床下を守るためには

「床下の水分」をコントロールすることが

一番重要です。

床下環境事業のページをご覧ください

 

カビ

①カビの被害

 カビは木材腐朽菌とは異なり、木材の表面に付着するだけで、木材自体を分解し強度を低下させることはありません。

 しかしながら、カビ自体の湿気で、木材の含水率が高まり、木材腐朽菌が生育しやすい環境になってしまいます。

 また、カビは嫌なニオイの原因ともなるため注意が必要です。

②カビが生育しやすい条件とは

カビの生育にも木材腐朽菌と同様に「水分」「栄養」「空気」「温度」の条件が必要です。

つまり

カビの対策も「床下の水分」をコントロールすることが一番重要です。

ただ一度生えたカビは,「水分のコントロール」をしても死にません。

まずアルコール製剤で殺カビ処理することをおすすめします。

 

床下環境事業のページをご覧ください